SMIF-N-WESSUN「DAH SHININ'」 [HIP HOP]
ROY AYERS「HE'S COMING」を引用(サンプリング)したジャケットワークから中身まで全てがシビレる1枚。基本的にはフィルターを掛けたサンプリングネタと定番ブレイク、重いベースが絡むというシンプルな形の曲が多いが、シンプルゆえにネタの選び方と音の厚みへのコダワリがハンパじゃない。映画「シャイニング」をモチーフにした「WONTIME」のビデオもカッコ良かった。
ちなみに9ヶ月になる娘に「WREKONIZE」REMIXの「着うた」を携帯電話で聴かせると、どんなに泣いていてもピタッと泣きやんでしまうので不思議である。
SMITH&WESSONに訴えられグループ名は一時使用禁止に。
A TRIBE CALLED QUEST「MIDNIGHT MARAUDERS」 [HIP HOP]
AL' TARIQ「GOD CONNECTIONS」 [HIP HOP]
元THE BEATNUTSのMCの1人であったFASIONがグループを脱退、改名してのソロデビュー作。とは言え大半のトラックをTHE BEATNUTSがプロデュースしており、彼らのアルバムを聴いている感覚である。
ほとんど話題にならなかったが「正当に評価されていないアルバムベスト10」があるとしたら間違いなくランクインするのでは無いかというぐらいアルバムの完成度は高く、今でもよく聴いている。COMMONの2ndアルバムをプロデュースしたNO I.D.も参加しており全編に渡り純粋なHIP HOPを堪能できる。
バーゲンセールのワゴンから300円ぐらいで救出した記憶が。
AZ「DOE OR DIE」 [HIP HOP]
NAS「ILLMATIC」への参加で一躍脚光を浴びたAZ。あちらはクラシックになるべくして制作されたビッグボムだが、この「DOE OR DIE」には小粒でもピリリとスパイスの利いた味わいがあり、あなどれない。
「ILLMATIC」でもその手腕を発揮したPETE ROCKプロデュースの2曲が素晴らしいのはもちろんだが(そのうち1曲ではNASが客演)、その他の曲いずれも、しゃがれた声のAZのラップとの相性はバッチリである。
素晴らしい内容なのにセールス的には成功せず。
DA BEATMINERZ「BRACE 4 IMPAK」 [HIP HOP]
プロデューサーの名を冠し、豪華客演陣を迎えたコンピレーションモノは沢山あるが、そのどれもがイマイチまとまりが無いというのが私の印象だった。しかしこれはそのマイナスイメージをくつがえす極めて高い完成度の1枚だと言える。
このアルバムもBLACK MOONらBOOT CAMP CLICKの面々を始めとして、PETE ROCKやNAUGHTY BY NATUREといった豪華ゲストが参加しているのだが、ゲストの個性を際立たせつつもBEATMINERZらしさを失っていないトラックの数々はサスガだ。
今は無きRAWKUSから発売されている。
PMD「BUSINESS IS BUSINESS」 [HIP HOP]
GROUP HOME「LIVIN' PROOF」 [HIP HOP]
DJ PREMIER仕事の代表作と言える1枚。サンプリングネタをバラバラに分解し再構築する彼のスタイルは、理解できてもマネできないセンスにあふれている。かと思えばイントロ曲のようにネタをまんま使いしてるものもあり(ビートルズ「YESTERDAY」のカバー曲をサンプリング)、その使い分けが絶妙。
ひとつ残念なのは相方のGURUがプロデュースしていると思われる曲が2曲あり、アルバム全体のバランスを崩してしまっている事。この曲だけ飛ばして聴いているのは私だけでは無いはず。
LIL' DAPとMELACHIのラップはお世辞にも上手いと言えないが。
MOBB DEEP「THE INFAMOUS」 [HIP HOP]
SHOWBIZ & A.G.「Runaway Slave」 [HIP HOP]
青春時代(?)を過ごしたということもあり90年代のヒップホップが好きなのだが、なかでもこの1枚は歴史的にも盤自体のプレミア度も最大級ではないだろうか。
ファンクネタが主流の当時にジャズのレコードなどからのサンプリングを用い「こんなのもカッコイイだろ」というのを見せつけ、ヒップホップの可能性を大いに広げたと言える。
オリジナル盤を持っている人間からすると再発売されたのは嬉しいような悲しいような複雑な心境。
CDを紹介するのはスヌープさん。